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武光誠『「型」と日本人』

 
 武光誠氏の『「型」と日本人――品性ある国の作法と美意識』(PHP新書、2008年11月)を読みました。「日本文化を扱った研究者は多いが、「型」というみかたによって説明しようという試みは、いままであまりなかったように思われる」(はじめに)。日本の伝統的な品性には縄文時代以来の神道平安時代なかば以後につくられた武士道という二つの柱があり(第四章「武士の作法と美意識」)、日本文化を支えた美意識の流れを「平安時代の『もののあわれ』は室町時代の『わび』、『さび』、『幽玄』の禅文化を経て江戸時代の『粋』につらなっている」と明瞭にまとめ(第七章「「粋」は日本の至上の美」)、むすびで「現代にこの日本特有の合理性を再びひき出すことができれば良い。そうなると、現代のすすんだ科学文明を踏まえた新たな人々がやさしい国を築いていけるのではあるまいか」(第九章「伝統的作法の変質」)と提言しています。