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濱口惠俊編『日本社会とは何か』

 「型」文化関連書の続きです。濱口惠俊編『日本社会とは何か――複雑系の視点から』(NHKブックス、1998年)は、国際日本文化研究センターの共同研究「日本型システムの編成原理」(平成7年4月〜9年3月)の成果を、一般読者用にまとめた報告書。『日本型モデルとは何か』(新曜社、平成5年)、『世界のなかの日本型システム』(新曜社、平成10年)、『日本文化は異質か』(NHKブックス、平成8年)とともに、日本型システム研究の一環を構成するものです(あとがき)。「恥の文化」(ルース・ベネディクト)に始まり、「タテ社会」(中根千枝)、「甘え」(土居健郎)、「集団我」(南博)というように、日本「集団主義」社会説を無条件で是認するのは問題があり、「日本人を、外側からではなく、文化に内在した立場から」捉えることを提唱し、「個々人の行動に焦点を合わせる「方法論的個別体主義」から、相互の連関性に注目する「方法論的関係体主義」への転換が要請される」と説いています(はじめに)。編者の濱口氏いわく、「相互の「信頼」関係に基づいて「社会編成」が自成的になされるとすれば、人と人との「間柄」をベースとする日本型の「編成原理」がそのモデルとなる可能性もあろう」(第1部1章「日本型システムの「人間」〔じんかん〕的編成」)。