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近藤啓吾先生の「阿留辺幾夜宇和 明惠上人の教」

 東日本大震災にあたり、皆様より御見舞の電話やメール、手紙などを頂戴し、多大な元気を戴くことができましたこと、改めて厚く御礼申し上げます。
 就中、藤沢市にお住まいの近藤啓吾先生は、御見舞とともに数編の玉稿を恵与下さいました。「阿留辺幾夜宇和 明惠上人の教」はその中の一編であり、嘗てご自身が苦しい境遇の際、明恵上人によって救われたご経験を電話で直々にお教え下さいました。

上人は「あるべきやうは」といふ語を常に口にされたが、この七字こそ、人が人たるの当為に生きるべきことを教示せられたものである。……あるべきやうを実現するためには、きびしい戒律の実践と無限の行道とを必要とする。華厳では、本来ほとけであるといふ。しかしこの実践があつて、本来ほとけであることが実証されるのである。……まことに上人によつて、華厳は冷たい理論でなく、生き生きとした宗教的生命の漲つたものになつた。されば上人の目には、一輪の花にも一個の石にも、仏の生命が感得されたのである。

 明恵上人の「人は阿留辺幾夜宇和といふ七文字を保つべきなり。僧は僧のあるべきやう、俗は俗のあるべきやうなり。」という教えに学び、あるべき実践を心がけよとの叱咤激励を肝に銘じて、日々の精励を重ね御恩に報いたいと思います。