仙台市史セミナー「特別企画 地域の歴史資料を救え」とパネル展示


 仙台市博物館での第20回仙台市史セミナー「特別企画 地域の歴史資料を救え」(平成23年9月18日)と同時開催のパネル展示「地球が震えた日3.11から 歴史遺産を未来へ 宮城歴史資料保全ネットワークの活動」(同9月17日〜25日)に参加しました。
 1階ホールで開催されたセミナーでは菅野正道・仙台市史編さん室長が「被災した『歴史』」、栗原伸一郎・同嘱託が「仙台市博物館の資料レスキュー活動」、休憩後に「歴史資料の保存はなぜ必要か」について平川新・東北大学東北アジア研究センター教授が報告しました。今回は所用のため菅野・栗原両氏の講演のみ聴講しました。
 大震災直後から、資料所蔵者への呼びかけや市内巡回調査、発見された歴史資料の整理・応急処置に取り組んできた経過や調査上の課題などについて、スライドを交えながらわかりやすく説明していただきました。これまでレスキューされてきた歴史資料は被災地域の歴史を明らかにする上で貴重なものばかりであり、その活動の真価が問われるのは、こうした資料を活用し地域に還元できるか否かにかかる、との栗原氏の指摘などがとくに示唆的でした。
 1階ギャラリーでの展示では、2003年の宮城県北部での連続直下型地震の経験から始まった宮城歴史資料保全ネットワークの活動の歩みと東日本大震災での歴史資料レスキュー、歴史資料保存の意義等について、写真や現物資料、パネル等で紹介していました。
 このセミナー・展示については、岩手民俗の会(代表=大石泰夫・盛岡大学教授)が参画している岩手歴史民俗ネットワーク・東日本大震災対策プロジェクトの関連情報として、大石先生よりご教示いただきました。記して心より感謝申し上げます。