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第13回伝統文化セミナー『自然災害と復興〜先人の叡智に学ぶ2〜』


 平成23年11月25日に宮城県神社庁で開催された第13回伝統文化セミナーの報告書『自然災害と復興〜先人の叡智に学ぶ2〜』(神社本庁広報センター、平成24年2月1日発行、A5判、97頁)を読みました。目次は次の通りです。

 「はじめに」加藤健司鶴岡八幡宮教学研究所長)
 「津波発生メカニズムと被災の実態・教訓―東日本地震、予測出来なかった地震と忘れられた津波」今村文彦(東北大学教授)
 「東日本大震災津波による被災状況と津波から残った神社に学ぶ」熊谷航(海洋プランニング株式会社)
 「被災神社から」工藤祐允(上山八幡宮宮司
 「まとめ」加藤健司鶴岡八幡宮教学研究所長)
 「参考資料」
 「編集後記」

 今村氏は神社の役割・意義として緊急時のランドマーク(避難場所)、津波を防御する鎮守の森、記憶や伝承、さらには究極の防災訓練としての祭り(寒中に河川に入ることや神輿を担ぐことなど)を挙げています。熊谷氏は千年後に伝えられる防災の形を考えるために、地域・暮らしの象徴としての神社を中心とした集落、コミュニティーを、神社を管理し、祭りをする地元の人々が担い復興していくことが大切と指摘しました。工藤氏は境内の瓦礫撤去に全国からボランティアが集まって下さったこと、避難指定場所より高台にある神社に避難して児童全員が助かり、有り難さを実感した志津川地区の小学校長の話などを紹介、加藤氏は地域ネットワークが壊れ、地域全体が広範囲にダメージを受けた被災地神社の祭りの再生が、今後の大きな問題になると懸念しています。