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W. G. アストン『神道』について(5)

 ウィリアム・ジョージ・アストンは『神道』(1905年)の「序文」において、

 私の此の論文には二個の目的がある。即ち宗教の科学的研究用として、神道の最も重要な事件の索引を作ると同時に、宗教の一形式と宗教の初歩とを特に神道について陳べようとするのである。而して此の問題を取扱ふに於て、消極的、懐疑的態度でなくして、積極的態度を以て、凡て宗教なるものは、人間の病的作用のものではなく、常規を失はぬ人間の精神作用から起るものだといふ見地を以てした。(『日本神道論』、二頁)

と、神道の研究に「消極的、懐疑的」(negative or agnostic)ではなく「積極的」(positive)な立場で臨み、その際に「大陸の学者 Reville〔レヴィユ〕, Goblet D’Alviella〔ゴブレット・ダルヴィエラ〕, Pfleiderer〔プライデラー〕 の諸氏に負ふところが甚だ多い」こと、さらに「人類学的事項については、Dr. Tylor 〔エドワード・バーネット・タイラー博士〕の 「Primitive Culture」〔『原始文化』〕 及び J. G. Frazer 〔ジェイムズ・ジョージ・フレイザー〕の 「Golden Bough」〔『金枝篇』〕に頼る処が大にある。」と述べています。