建部清庵生誕300年「江戸時代の病と医療」展


 一関市博物館では、第19回企画展・建部清庵生誕300年「江戸時代の病と医療」展が、平成24年9月29日(土)より11月11日(日)まで開催中です。
 一関藩医の建部清庵(1712〜1782)は名医として誉れ高かったばかりでなく、『民間備荒録』『備荒草木図』を著して飢饉に苦しむ人々を救済するなど顕著な社会的活動を行いました。また杉田玄白と交流し、弟子の大槻玄沢、杉田家を継いだ清庵の子息伯元など多くの蘭学者・門弟を育成し、日本の科学の発展に寄与しました。今年が生誕300年、歿後230年の節目にあたるのを機会に、江戸時代の人々が病という人生の危機をどうとらえ、どのように乗り越えてきたのか、その姿を物語る資料が展示されています。
 とくに「一関地方の医療」のうち「千葉理安と施無畏堂」のコーナーを中心に、磐井郡流郷峠村(現一関市花泉町老松)の観音堂屋敷に診療所兼医塾「施無異堂(せむいどう)」を開いて患者の治療と弟子の医学教育に尽くした千葉理安(1783〜1820)の関係資料である「観音堂文書」(一関市教育委員会所蔵)が多数紹介されており、花泉の皆さんに是非ご覧いただきたいとのことです。