一関市にプール指導の要望

 去る7月2日、一関市に在住する小中学生の保護者として、下記のような要旨の電子メールを一関市役所にお送りし、今年度の一関市におけるプール指導について質問と要望を申し上げました。

一関市役所御中

 平素より市民生活に格別のご高配を戴き有り難うございます。
 さて、一関市内における放射能測定結果を、ホームページにて拝見いたしました。http://www.city.ichinoseki.iwate.jp/index.cfm/1,23961,151,html
 一関市は0.3 μSV/h以上の施設が多く、例えば盛岡市 http://bit.ly/elh05fの10倍、仙台市 http://bit.ly/jcbg34の2倍以上に相当しており、年間で1ミリシーベルトを超える高い数値に驚いております。
 詳しい調査をしていただきましたことに、改めて感謝申し上げます。
 本件に関連し、プール指導とくに雨天時の使用につき、7月1日午後、教育委員会に電話にて問い合わせを致しましたところ、雨天時の大気中の測定はしていないため、現段階では通常どおりの使用の方針とのことでした。
 しかしながら、小学生・中学生の保護者として現状を心配しております。インターネットで調べましたところ、千葉県市川市教育委員会では、子ども達の被爆線量の低減の観点から各学校に次のような水泳指導上の留意点について指導しております(以下、市川市ホームページ http://www.city.ichikawa.lg.jp/channel/general-edu.htmlからの引用)。
「【水泳指導中の留意点】
(1)プール施設に入る場合は、足洗い場で必ず足についた土等を洗い流す。
(2)入水前はシャワーをしっかり浴びさせる。
(3)プールサイドにおける活動等についてはできるだけ肌の露出を避ける。
(4)終了後はしっかりシャワーを浴びさせるとともに洗顔やうがいをしっかりさせる。
(5)終了後はタオルで十分拭かせ、体の水気を取ってから教室に行かせる。
【水泳指導の計画立案時】
(1)指導内容の精選を図り、時間を短縮した計画とする。
(2)プール内での実技指導と教室の学習を取り入れて授業の効率を高める。
(3)降雨時の水泳指導は実施しない。」
 
 千葉県市川市放射線測定の結果は以下のページに公表されております。
 http://www.city.ichikawa.lg.jp/gen06/housyasen.html#04
 これらの数値と一関市の結果はかなり近く、一関市でも市川市と同等の配慮が必要ではないかと思量致します。
 なお東京大学島薗進教授がブログにおいて次のように指摘していますので参考までご覧いただければ幸甚です(以下、島薗進教授のブログ http://shimazono.spinavi.net/?p=233 からの引用)。
ICRPの2007年勧告や今回の事故に対応して示された年3月21日付け勧告にそって、今なされるべきことは、まず、もはや「緊急時」にそった対応ではなく「現存被ばく状況」を想定した対応をすべきことを認めることだろう。そして、「年間1 から20 mSv の間に基準を設定して防護の最適化を実施し、さらにこれを年間1mSv に近づけていく」ための措置を早急に進めることだろう。それは「福島県内……暫定的考え方」にある20mSvという基準を、できれば1mSvまで、そうでないとしてもできるだけ引き下げることを当然帰結するはずである。」 
 以上、長々と失礼いたしましたが、一関市の将来を担う子どもたち、さらには子孫のためにも、プール指導に例年とは違う配慮が必要と思われますので、どうかご検討をお願い申し上げます。また、本件に一関市としてどのように対応されるか、ご意見をお聞かせ下さい。
                             佐藤一伯

 この要望・質問に対して、7月7日、市教育委員会担当者より、プール指導は学校毎に対応をお願いしているとの電話回答がありました。私は市として全学校に市川市と同様の指導をお願いしたいが、それが叶わないのであれば、せめてわが子の通う小中学校長に同様の質問・要望を申し上げるしかないと考え、その趣旨を教育委員会担当者に了承の上、7日に地元の小学校長、8日に中学校長を訪問し、上記メールと同内容の要望を申し上げ、ご理解をいただきました。
 小中学校長先生には本旨をご理解いただきましたこと、また、このような要望を申し上げる上で、貴重な知見をご教示いただいた皆様、とくに東京大学島薗進先生に感謝を申し上げます。この記事が一関市在住の皆様をはじめ、現下における放射線量とプール指導について関心をお持ちの皆様に少しでもお役に立てば幸いです。