齊藤壽胤『気吹舎篤胤随感録』


 「各県民俗学の始まりと今」をテーマに11月16日(土)に東北大学片平さくらホールで開催された第30回東北地方民俗学合同研究会の懇親会場にて、報告者の一人であった齊藤壽胤先生より『気吹舎篤胤随感録』(彌高叢書第11輯、彌高神社・平田篤胤佐藤信淵研究所、平成25年9月11日発行、四六判並製、48頁)を恵贈戴きました。厚く御礼申し上げます。
 齊藤先生には昨秋に秋田県護国神社で開催の中堅神職研修会でも佐藤信淵について講義を賜りました。
 本書は彌高神社での研究講話録等を抄録したもので、目次は次のとおりです。

 〔巻頭図版〕高橋萬年筆「篤胤父娘像」
 正統なる古へ――篤胤古道学とは何だったのか、国学の精神を新たなる古の復帰へと
 篤胤研究にかけた情熱――伊藤裕先生の逝去を悼む
 先人としての篤胤――秋田市制百周年記念、秋田市立赤れんが郷土館企画展「平田篤胤大人展」に寄せて
 平田篤胤大人百六十年式年祭に寄せて
 気吹舎大人の学問と生活――篤胤大人の書簡から
 平田篤胤式内社
 篤胤先生、虫歯の巻――歯と国学思想の若干
 あとがき

 齊藤先生はあとがきで「よく検証した論文集ではない」と謙遜しつつ、「篤胤古道学は今にも通じるものがあることは、決して見逃せない事実……本書の意図する所は、ひとつの篤胤学の切り口としてみていただきたい」と述べています。
 仙台にて意見交換しつつ、民俗学の始まりというテーマに篤胤が登場してもおかしくないし、東北人が篤胤を学ぶ意義が今日ほど大きい時宜はないのではないかという気持ちにもなりました。