『世界の中の神道』紹介記事(『岩手日日』)

拙著『世界の中の神道』(錦正社、平成26年)についての記事が、『岩手日日』(平成27年1月10日)に掲載されました。出版までの経緯や内容について、丁寧に紹介していただき有難うございました。

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世界の中の神道考察 花泉・佐藤さん 研究成果一冊に « Iwanichi online 一関・両磐地方のニュース


世界の中の神道 | 株式会社 錦正社

世界の中の神道 (錦正社叢書)

世界の中の神道 (錦正社叢書)

 

 

「めぐり」と民俗信仰――第31回東北地方民俗学合同研究会

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 第31回東北地方民俗学合同研究会(第878回日本民俗学会談話会)が平成26年12月6日(土)に福島県立博物館で開催されます。

日時:2014年12月6日(土) 13:00~16:30

会場:福島県立博物館 講堂(福島県会津若松市城東町1-25)

テーマ:「めぐり」と民俗信仰

プログラム:

13:00 開会の辞:佐々木長生(福島県民俗学会会長)

    司会:内山大介(福島県民俗学会)

13:05~13:30 村中健大(青森県民俗の会)「十和田湖のトワダ信仰―遠隔地参詣の事例として」

13:30~13:55 齊藤壽胤(秋田県民俗学会)「廻り儀礼の諸相―宮廻り神事からトッコウ、地蔵廻りなど」

13:55~14:20 佐藤一伯(岩手民俗の会)「木曽御嶽山の信仰と観光―岩手神明講と三十八史跡巡りを事例に」

14:20~14:30 休憩

14:30~14:55 デール・アンドリューズ(東北民俗の会)「現代巡礼考―アニメ・ゲームから生まれた聖地」

14:55~15:20 原淳一郎 (山形県民俗研究協議会)「置賜地方における山岳信仰と成年式」

15:20~15:45 菊池健策 (福島県民俗学会)「枡を祀る祭り―御枡廻しをめぐって」

15:50~16:30 総合討議コーディネーター:岩崎真幸(福島県民俗学会)

共催:日本民俗学会・福島県立博物館

※ご来場の方には資料代として500円を申し受けます。

※今年度の東北地方民俗学合同研究会は「めぐり」をテーマに、東北における民俗信仰の地域性を考えてみたいと思います。神仏や霊場をめぐる巡拝・巡礼、来訪神や宗教者が集落をめぐる祭礼や行事、さらに観光やサブカルチャーなどと結びついた現代的な巡礼まで、幅広い意味での「めぐり」というキーワードをとらえます。なお当日、会場となる福島県立博物館では特別展「みちのくの観音さま ―人に寄り添うみほとけ―」(東北歴史博物館と共催)が開催中で、東北地方の観音像や寺宝、絵馬などの奉納物のほか「三十三観音めぐり」などに関する資料も展示しております(展示室は最終入館16:30まで、17:00閉館)。

※懇親会(18:00~/ボンジュール(会津若松市白虎町201 ワシントンホテル内)=会費5,000円。11月30日までに事務局(福島県民俗学会=福島県会津若松市城東町1-25 福島県立博物館内/TEL: 0242-28-6000/担当:内山大介・大里正樹)までお申込み下さい。

平成26年度東北地方民俗学合同研究会チラシ.pdf

第31回 東北地方民俗学合同研究会のお知らせ - 福島県民俗学会 - Yahoo!ブログ

 

大槌町の歴史文化遺産講座

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いわて高等教育コンソーシアム主催「大槌町の歴史文化遺産講座」が下記の通り開催されます。個別の回の参加もできますのでぜひご参加ください。 

11月1日(土)
 14:00~15:15

 講座① 復興に係る遺跡調査からみえてきたもの (岩手大学教育学部非常勤講師 八木 光則) 

 15:30~16:45

 講座② 三陸沿岸の古代 (岩手大学平泉文化研究センター特任教授 伊藤 博幸) 

11月2日(日)
 9:30~10:45

 講座③ 閉伊の中世 (岩手大学教育学部教授 菅野 文夫) 
 11:00~12:15

 講座④ MLA 連携による被災前川家文書の安定化処理と修復 (国立国会図書館収集書誌部資料保存課 副主査 村上 直子) 

11月22日(土)
 14:00~15:15

 講座⑤ 大槌町の近世期の町方遺跡 (大槌町教育委員会埋蔵文化財調査課長 鎌田 精造)

 15:30~16:45

 講座⑥ 博物館の再生に向けて ―陸前高田市における文化財レスキュー- (陸前高田市立博物館副主幹 熊谷 賢) 

11月23日(日・祝)
 9:30~10:45

 講座⑦ 江戸時代の三閉伊通と大槌 -藩日記「雑書」と前川家文書を中心に- (東北大学大学院文学研究科助教大槌町文化財保護審議会委員 兼平 賢治)

 11:00~12:15

 講座⑧ 震災資料を残す意義と活用 (盛岡大学文学部教授・大槌町文化財保護審議会委員 大石 泰夫 )

■会  場  大槌町中央公民館 大会議室

     (岩手県上閉伊郡大槌町小鎚第32地割126)

■対  象  どなたでも 

■受 講 料 無料

■募集期間 各講座開催前日まで

■申し込み 氏名・年齢・電話番号・住所・希望講座番号を大槌町生涯学習課まで お伝えください。

■主 催 いわて高等教育コンソーシアム

■共 催 大槌町教育委員会 岩手歴史民俗ネットワーク

■後 援 大槌町文化財保護審議会

■問い合わせ・申し込み 大槌町生涯学習課 TEL 0193-42-2300

 

参考URL

いわて高等教育コンソーシアム

大槌町の歴史文化遺産講座 受講者募集 | 大槌町

 

佐藤一伯『世界の中の神道』

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 このたび、拙著『世界の中の神道』(錦正社叢書3、四六判、96頁)を上梓しました。
 恩師の藤原暹(ふじわら・のぼる)先生(昭和8年10月11日~平成21年7月14日)は、古稀を記念して創設した日本学研究会の機関誌『日本学研究』第2号(平成16年)に「『日本学』へのアプローチ」を寄稿し、次のように問題提起しました。

 明治四年に国家事業として大規模な海外視察・岩倉米欧使節団が出発し、明治六年に帰国した。これは近代国家を目指す日本政府派遣の公的な海外視察(観察)であった。彼らが帰国する明治六年には既にそれまで海外学術事業を学んだ人達によって新しい学術を紹介・啓蒙する「明六社」が結成された。その学術発表機関誌として『明六雑誌』が発刊された。
 ところが、その前年に来日欧米人の日本学術研究の「日本亜細亜協会」が結成されていた。学術をめぐる歴史的事象として、この内外のほぼ同時的な現象はその後の新たな日本の学問の形を形成する上で重要な意味をもつ事になったのではなかろうか。

 藤原先生はまた、明六社に先駆けた欧米人による日本アジア協会の活動に、近代の「日本学」の形成を求める立場を示した日本思想史学者の村岡典嗣の論文「日本学者としての故チャンブレン教授」(『続日本思想史研究』岩波書店、昭和14年)に、「『日本学へのアプローチ』の原点を置く事は妥当な事であろう」とも述べています。
 筆者は藤原先生より、岩手大学在学当時(昭和62年4月~平成3年3月)から平成21年7月に逝去されるまで、20年以上にわたり直々のご指導ご鞭撻を賜りました。とくに晩年のこのような洞察に導かれて、日本アジア協会で活躍したW・G・アストンや新渡戸稲造、加藤玄智の神道論について拙稿を発表してきました。その成果をもとにした本書は、藤原先生の日本学の視点を再確認し、推し進める側面を持っているように思われます。

 本書の目次は次の通りです。

まえがき
第一章 世界の中の神道
 一 初詣の意義―明治改暦と日本の正月―
 二 平和と生活の道―GHQの神道観―
 三 農業国民の宗教―W・G・アストンの神道観―
 四 サムライの心―新渡戸稲造神道観―
第二章 明治の聖徳
 五 明治維新と「五箇条の御誓文」
 六 明治天皇の「教育勅語
 七 昭憲皇太后の坤徳と「金剛石」
 八 明治神宮の源流としての聖徳
 九 明治の聖徳とインスピレーション
第三章 神社と崇敬
 十  近代東京の神社創建と慰霊・顕彰・崇敬―明治神宮と靖國神社―
 十一 明治・大正の招魂社案内記―靖國神社・護國神社の由緒と文芸―
 十二 加藤玄智の神道研究に学ぶ―戦後の著述を中心に―
 十三 御嶽山御嶽神明社と岩手神明講
あとがき

 第一章「世界の中の神道」では、W・G・アストンや新渡戸稲造など、近代の日本学者の神道論を中心に紹介しています。
 第二章「明治の聖徳」では、筆者が平成6年4月より平成21年3月まで奉職させていただいた、明治神宮の御祭神明治天皇昭憲皇太后の聖徳のうち、「五箇条の御誓文」、「教育勅語」、唱歌「金剛石」など、近代の神道の教えとして重要なものを中心に解説しています。
 第三章「神社と崇敬」では、國學院大學研究開発推進センター(阪本是丸センター長)の慰霊と追悼研究会や研究紀要に発表した内容をもとに、明治神宮、靖國神社、護國神社、および現在筆者が奉職する御嶽山御嶽神明社など、近代に創建ないし再興した神社を中心に述べています。

 本書に収められた文章が、神道の理解に少しでも役立つことが出来ましたら、幸甚これに過ぎるものはありません。 

 なお、本書の売り上げの一部は、「東日本大震災復興応援」および「御嶽山支援」の義捐金として「おんたけさん友だちネット」事業に寄附されます。

 また、出版社のご提案で表紙に採用した納戸色(グリニッシュグレイ)は、岩手県旗の地色にちなんでいます。

 ご高配をいただきました、株式会社錦正社の中藤正道社長に改めて厚く御礼を申し上げます。


世界の中の神道 | 株式会社 錦正社

世界の中の神道 (錦正社叢書)

世界の中の神道 (錦正社叢書)

 

 

シンポジウム「明治神宮以前・以後」

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神社境内の環境形成に関する構造転換の様相を探る公開学術シンポジウム「明治神宮以前・以後 ―近代神社をめぐる環境形成の構造転換―」が、下記の通り平成26年10月25日(土)に明治神宮社務所講堂で開催されます。

◆日時:2014年10月25日(土)13:00~17:00
◆場所:明治神宮社務所講堂(渋谷区代々木神園町1-1)
◆報告1「神社における「近代建築」の獲得」青井哲人明治大学理工学部准教授)
◆報告2「戦前日本における「鎮守の森」論」畔上直樹(上越教育大学大学院学校教育研究科准教授)
◆報告3「帝都東京における「外苑」の創出」藤田大誠(國學院大學人間開発学部准教授)
◆総合討議

 司会:藤田大誠(國學院大學人間開発学部准教授)
 進行:今泉宜子(明治神宮国際神道文化研究所主任研究員)

 主催:明治神宮国際神道文化研究所
 共催:明治神宮史研究会
 申し込み・連絡先:明治神宮国際神道文化研究所
 TEL:03-3379-9338 FAX:03-3379-9374
 E-mail:center_mj[at]so.meijijingu.or.jp

参考:公開学術シンポジウム「明治神宮以前・以後」チラシ.pdf

『弘前市鬼沢 鬼神社の信仰と民俗』

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 山田嚴子編『弘前市鬼沢 鬼神社の信仰と民俗』(弘前大学人文学部文化財論講座、平成26年3月31日発行、A4判、98頁)を、日本民俗学会第66回年会・第7回実行委員会(9月27日、岩手県立大学アイーナキャンパス)の際に、山田先生より頂戴しました。お心遣いに感謝申し上げます。

 平成25年度研究プロジェクト「岩木山麓の鬼信仰と鬼神社奉納品の保存」に関連した調査のうち、奉納絵馬額、民俗、奉納品の保存に関する調査報告書で、目次は次の通りです。

1 調査の目的と調査経過(関根達人/山田嚴子)……1

2 はじめに(山田嚴子)……2

3 口絵……5

4 美術編 鬼神社の奉納絵馬額について(須藤弘敏)……6

5 民俗編 鬼沢の民俗(弘前大学民俗学実習履修学生編)……12

6 保存処理編 奉納品の保存処理(片岡太郎)……92

 このうち民俗編は、社会生活(村、家と家の関係、家)、人生儀礼(婚姻、産育、葬制)、生業(農業、商店、諸職、出稼ぎ、交通・交易)、衣食住(衣、食、住)、年中行事(正月の行事、春・夏の行事、盆の行事、秋・冬の行事)、信仰(鬼神社、その他の神社、寺社の巡拝、寺院と庵寺、民間宗教者、近隣で祀る神仏、家で祀る神仏、俗信)、芸能(獅子踊・神楽、遊戯・娯楽)、口承文芸(伝説、世間話)の8章で構成されています。

橋内武先生と再会して


 橋内武先生(桃山学院大学名誉教授)が、明日(9月3日)から開催される岩手大学シニアカレッジ2014に参加の途次、一関にお立ち寄り下さいました。
 一関市博物館の大槻玄沢大槻文彦の展示をご覧いただいた後、市内で夕食をご一緒させていただきました。
 また、高著『パラグラフ・ライティング入門』(研究社、1995年初版、2007年5刷)、「橋内武教授略歴および著作等目録」(『国際文化論集』第49号抜刷、桃山学院大学総合研究所、2014年)等を頂戴しました。お心遣いに感謝申し上げます。
 橋内先生とは10年ほど前、藤原暹先生のご紹介で明治神宮文化館の庭で初めてお目にかかりました。
 藤原先生が逝去された翌年、残暑が厳しかった平成22年(2010)9月、今回のように岩手大学シニアカレッジの前日にご訪問下さいました。その際は陸前高田市在住のご友人の木村忠亮先生と大学卒業以来40数年ぶりに一関で面会された後、花泉まで足を運んで下さいました。木村先生は悲しいことに東日本大震災でお亡くなりになったそうです。今回のシニアカレッジは三陸ジオパークがテーマで宮古や大槌、釜石の見学が予定されているそうですが、陸前高田には次の機会に訪ねたいと、別れ際におっしゃっていました。
 話は尽きませんでしたが、橋内先生が「オーストラリア、ニュージーランド英語関係項目」を分担執筆された『新英和大辞典』第6版(研究社)など、辞書編纂の苦労話はとても興味深く拝聴しました。一流の先生方のご努力により限られた字数に明解に表現する営みの集積である、辞書の恩恵に感謝を新たにするとともに、どのような立場や業種の人々でも、他者の問いに対して簡潔明瞭に何かを伝達し、あるいは理解していただくという努力や営みはとても大切ではないかと思いました。

パラグラフ・ライティング入門

パラグラフ・ライティング入門