2012-01-01から1年間の記事一覧

第15回伝統文化セミナー「東日本大震災の復興と神社」

神社本庁主催の第15回伝統文化セミナー「東日本大震災の復興と神社」が11月6・7の両日に岩手県内の神社で開催され、在京のマスコミ関係者ら24名が参加したことが、『神社新報』に掲載されています(「神社本庁 岩手で「復興と神社」 マスコミ対象にセミナー」…

建部清庵生誕300年「江戸時代の病と医療」展

一関市博物館では、第19回企画展・建部清庵生誕300年「江戸時代の病と医療」展が、平成24年9月29日(土)より11月11日(日)まで開催中です。 一関藩医の建部清庵(1712〜1782)は名医として誉れ高かったばかりでなく、『民間備荒録』『備荒草木図』を著して…

菅原壽清編『木曽御嶽信仰とアジアの憑霊文化』

菅原壽清先生の古稀を記念する論文集『木曽御嶽信仰とアジアの憑霊文化』(岩田書院、2012年10月)が刊行となりました。菅原先生の古稀と記念出版まことにおめでとうございます。 目次は以下の通りです。 刊行によせて(佐々木宏幹) 木曽御嶽信仰研究の回顧…

公開学術シンポジウム 「帝都東京における神社境内と「公共空間」―明治神宮造営後の都市環境形成―」のお知らせ

公開学術シンポジウム「帝都東京における神社境内と「公共空間」―明治神宮造営後の都市環境形成―」が下記の通り10月20日(土)13時より明治神宮社務所講堂で開催されます。 ●開催趣旨: 神道史・宗教史・建築史・都市史・地域社会史・造園史・都市計画史など…

第29回東北地方民俗学合同研究会のお知らせ

第29回東北地方民俗学合同研究会が下記の通り開催されます。 期日・会場 平成24年11月23日(勤労感謝の日)、盛岡駅西口アイーナ8階812研修室プログラム 受付開始(12:45) 開会の辞(13:00) ○シンポジウム「震災から20ヶ月――民俗学は今何ができるのか」 基…

『東北の伝承切り紙 神を宿し神を招く』

千葉惣次・大屋孝雄『東北の伝承切り紙 神を宿し神を招く』(平凡社、2012年9月12日発行、B5変型判、128頁)が発行となりました。東北の27社寺の正月飾りを取材したもので、目次は次の通りです。 東北の伝承文化に寄せて(赤坂憲雄) オカザリの切り込み図 …

岩手民俗の会 平成24年度第1回研究発表会・総会

岩手民俗の会(代表=大石泰夫・盛岡大学教授、公式サイト=http://iwate-minzoku.jp/)の平成24年度第1回研究発表会・総会が7月14日(土)午後1時30分より岩手県立大学アイーナキャンパスで開催されました。 研究会では安田隼人氏(盛岡市都南歴史民俗資料…

公開シンポジウム「明治天皇とその時代」のお知らせ

明治天皇崩御百年、御生誕百六十年を記念した公開シンポジウム「明治天皇とその時代」が下記の通り開催されます。 講演「明治天皇とその時代」伊藤之雄氏(京都大学公共政策大学院教授) 講演「神道史から見た明治天皇」武田秀章氏(國學院大學神道文化学部…

岩手民俗の会 平成24年度第1回研究発表会のお知らせ

岩手民俗の会(代表=大石泰夫・盛岡大学教授)の平成24年度第1回研究発表会が、下記の通り開催されます。参加費は無料で、会員以外の方もご参加できます。 ◎日時 平成24年7月14日(土)13時30分〜16時30分頃 ◎場所 岩手県民情報センター(アイーナ)7階、…

W. G. アストン『神道』について(21)

第三章において「自然神と団体の中心人物とを祖先と呼ぶ」日本の疑似祖先崇拝の状況を扱った際には、次のように岡倉天心(覚三)『東洋の理想』やイギリスの哲学者エドワード・ケアードのギフォード講義『宗教の発展』に示唆を得た記述がみられます。 近頃出…

W. G. アストン『神道』について(20)

アストン『神道』が参照した同時代の日本関係の資料に、第三章の「天皇以外の人を崇むること」を述べた項における、ラフカディオ・ハーンの著述があります。 生ける天皇、崩御の天皇を神に崇むる場合ですら、外国思想の影響を疑ふ余地が沢山ある。天皇以外の…

W. G. アストン『神道』について(19)

第十四章「神道の衰頽、近世の諸流派」では「仏教の興隆」について「後世の神道は衰頽の歴史である。尤も神道に生気の絶えざるゆゑんは第一神道に接木した仏教の力である。支那の道徳、哲学の影響、特に近世に至っての影響が更に著しい。」(『日本神道論』…

W. G. アストン『神道』について(18)

第十三章「禁厭・卜占・霊感」では「まじなひ」について、「日本の辞書学者山田美妙は、まじなひは「神仏のすぐれた力の加護によつて、災難を除くこと」と言つて居るが、チツメルンの説と実質に於て一致して居る。…… Sir Alfred Lyall 及び I. G. Frazer は…

W. G. アストン『神道』について(17)

第十二章では、「儀式といふものは前二章で述べた崇拝の要素が或目的のために結合したものである。『延喜式』は、次に掲げる神道の或重大なる儀式に関する主要な典拠である。余は又此処で、Sir E. Satow 氏が亜細亜協会第七巻及び第九巻に発表せられた研究を…

W. G. アストン『神道』について(16)

第十一章では、神道の「道徳」について「道徳律の性質を備へたものは幾んど無い。……神道の聖書には直接に道徳を教へて居ない。毎年両度に行はれる大祓の祝詞の中にある罪名の中には、いはゆる十戒中の一戒をも含んでゐない。」(『日本神道論』、三〇二頁)…

W. G. アストン『神道』について(15)

第十章「崇拝〔Worship〕」では、「宗教的行為は、崇拝、宗教的制裁を有して居る限りについていふ道徳、儀式的清浄の三つを含む。」として、そのうちの「崇拝」ついて触れています。 「崇拝」という語は「人に対する尊敬礼譲と神に対する崇拝とに適用」し、…

W. G. アストン『神道』について(14)

第九章では、「神道はハーバート・スペンサーの言つた下の原理を説明してゐる。それは「社会進化の初の段階に於ては、人事と神事とに幾んど区別が無い」といふことである。天皇は最高の祭官でもあり、同時に帝王でもあつた。人事と宗教的儀式との間に明かな…

W. G. アストン『神道』について(13)

第八章では「人間神」を「個人を神として祀ること」(タケミナカタノ神、八幡、天満宮)、「団体の神」(日の女神補佐の神、中臣家の祖兒屋命、太玉、ウズメ、石凝姥命、豊玉、事代主、少彦名)、「人間的性質を抽象してこしらへた神」(塞の神、鬼、幸運の…

W. G. アストン『神道』について(12)

第七章「多神論――自然神」〔The Pantheon ― Nature Deities〕では、「日の女神」〔The Sun-Goddess〕が「神道中最も尊い神」であり、なぜなら、 太古の日本人は甚だ不十分な又きれぎれな風俗の中に、且つ彼等が直接に影響を受けつつある物理的現象の中に、殆…

W. G. アストン『神道』について(11)

第六章では「日本の神話」について、「日本の古い神話の観念を十分得るには、記事が固より重複、矛盾、曖昧なことを含んではゐるが、記紀旧事記の直接研究を外にしては決して得られないのである。」(『日本神道論』、一一一頁)と述べた上で、「日本の混沌…

W. G. アストン『神道』について(10)

第五章「神話」では、宗教的神話を研究する意義について、「神話は比喩から発達したものであるが、その比喩の如く、真実でないものによつて真実を暗示するものであつて、宗教的教育に必要なものであることは既に承認せられて居る。言語の幼稚な時代には、霊…

W. G. アストン『神道』について(9)

第四章「総論――神の職分〔functions〕」では、神道の神への祈りについて次のように観察しています。 自然神は其の固有の自然の職分にのみ拘はつてをることが稀である。神道では神が人間を保護する傾向がますます生じて来ることを示してをる。古神道の中にさ…

W. G. アストン『神道』について(8)

第三章「総論――人を神にすること」では、「人間を神にすることが神道に於て重要な事であることは、西洋の学者からも、近世の日本人からも誇大に説かれた。……実際神道は宗教的思想の二大潮流の中、第一の方〔自然崇拝〕よりも、第二の方〔人間崇拝〕から発し…

W. G. アストン『神道』について(7)

第二章「総論――擬人法」では、「宗教」「宗教の一要素たる情操」「宗教の智的根拠、神の観念」、「神」、「宗教的思想の二重の流れ」、「神の分類」、「概念上の形式」、「霊魂説」、「団体の神と性質の神」の各項を説明し、次のように述べています。 日本語…

W. G. アストン『神道』について(6)

第一章「神道の研究に必要な材料」では、「先史時代の神道」「古事記」「日本紀」「旧事紀」「出雲風土記」「古語拾遺」「姓氏録」「延喜式」「本居と平田」の各項(小見出し)を設けて解説の後、次のように述べています。 以上述べた書物は古神道の研究にか…

W. G. アストン『神道』について(5)

ウィリアム・ジョージ・アストンは『神道』(1905年)の「序文」において、 私の此の論文には二個の目的がある。即ち宗教の科学的研究用として、神道の最も重要な事件の索引を作ると同時に、宗教の一形式と宗教の初歩とを特に神道について陳べようとするので…

W. G. アストン『神道』について(4)

『日本神道論』の大正11年2月11日付「訳者の序」(序言)は、「此の「神道論」は西欧はいふに及ばず、我が学者の間に於ても既にクラシツクになつてゐる。」として、その特色を次のように述べています。 氏の神道に関する見解は、決して我等日本人が考へるや…

W. G. アストン『神道』について(3)

『日本神道論』の巻頭にはアストンの肖像の図版、訳者の一人・芝野六助宛の手紙(1908年〔明治41〕6月26日)の図版と訳文、翻訳神道にアストンが寄せた序文(1909年〔明治42〕2月1日)の図版と訳文が掲載されています。 芝野宛「原著者からの手紙」でアスト…

W. G. アストン『神道』について(2)

W.G.アストン『神道』(1905年)の日本語訳は、戦前(大正11年)と戦後(昭和63年)に、それぞれ別の訳者によって行われています。 そのうち、ダブルユー・ジー・アストン原著、補永茂助・芝野六助訳『日本神道論』(明治書院、大正11年6月15日発行)を紹介…

W. G. アストン『神道』について(1)

W.G.アストンの神道研究の代表作『神道』(1905年)について、加藤玄智らが編んだ欧文神道書籍目録には、「Shinto, or the Way of the Gods. London, 1905.」と掲載しています。 架蔵本(Shinto, (the Way of the Gods), by W.G. Aston, London; Longmans, G…