『別冊ブックレット 渋谷学』

f:id:sato189:20210605192415j:plain

 國學院大學研究開発推進センター渋谷学研究会編『別冊ブックレット 渋谷学―「渋谷の都市形成と再開発に関する研究」成果報告書―』(國學院大學研究開発推進センター、令和3年2月28日発行、A5判・164頁)をお贈りいただきました。誠にありがとうございます。

 令和2年度までの「渋谷の都市形成と再開発に関する研究」の3か年の研究事業の成果報告書を兼ねた刊行物で、第一部論考編、第二部資料編から構成されます。

 第一部には、「東京渋谷を科学する――渋谷学の蓄積と課題、そして可能性」というテーマのもと、上山和雄「渋谷学を振り返る」、手塚雄太「歴史から見た渋谷」、髙久舞「民俗から見た渋谷」、秋野淳一「宗教から見た渋谷」の各論考を収録しています。

 第二部には、髙橋亮一編「渋谷関連文献目録(稿) 論文・記事編」、同「渋谷歴史年表(稿) 明治編」を収録しています。

 このうち、秋野氏の論考では、昭和44年(1969)に東京山手教会の地下に渋谷ジァン・ジァンという小劇場が設けられ、教会と前衛劇場の組み合わせは時代の先端を走り始めた渋谷をよく象徴していたという、石井研士氏の「渋谷のキリスト教」の考察を紹介しています(78頁)。昨年デビュー40周年を迎えた佐野元春が、「ビルディングの壁に映るあの娘のスウィンギン・ダンシン・シャドウ」(「悲しきレイディオ」)という歌詞は、1970年代の東京山手教会付近を観察したものだったとラジオで話していたのが思い出されました。

 神職の多くは渋谷の國學院大學を学び舎としており、神社や院友会を通じた渋谷の文化の地方的展開といった視点があっても面白いのではないかと思います。

『100年の森ー明治神宮物語』

f:id:sato189:20210604143524j:plain

 産経新聞社会部編集委員・鵜野光博様より、『100年の森ー明治神宮物語』(産業経済新聞社、令和3年5月発行、A4判、144頁)をご恵与いただきました。お心遣い誠にありがとうございました。

 令和2年1月から令和3年3月まで産経新聞紙上に連載された「100年の森 明治神宮物語」を一冊にまとめたものです。

 鎮座100年を迎えた明治神宮を18の章で読み解き、解剖学者の養老孟司氏、明治神宮名誉宮司の中島精太郎氏のインタビューが最後に掲載されています。また冊子化にあたり、コラム2つと百年祭のグラビア、地図、年表などが追加されています。

 著者の鵜野氏は「終わりに」で、「明治神宮は100年の間、存続し、日本人は足を運び続けてきた。明治の遺跡は枯れることなく今も生きており、深淵はいつでものぞきこむことができる。その深淵からの視線を感じる一助に本書がなれば」と述べています。あらためて、明治神宮の森、日本人の心について考える一冊だと思います。

 本書は書店での販売は当面行わないそうです。ご購入をご希望の方は、お名前、ご住所、郵便番号、電話番号、冊子名、希望冊数を明記された上で、◇はがき(〒556-8666、住所不要)、◇FAX(03・3581・8831)、◇電子メール(meiji100@esankei.com)のいずれかで、「冊子 100年の森」係へお申し込み下さい。後日、ご案内をお送りするそうです。価格は3,000円(税込、送料別)です。

www.sankei.com

『はたごまち文庫』第6号(特集 明治天皇山形御巡幸140年記念)

f:id:sato189:20210427113145j:plain

 小形利彦様より、『はたごまち文庫』第6号(里之宮湯殿山神社、令和3年5月1日発行)をお贈りいただきました。誠に有り難うございます。

 明治天皇の山形御巡幸(明治14年)140周年特集号で、目次は次の通りです。

  • ごあいさつ(里之宮湯殿山神社宮司 澁谷宣寛)
  • 山形新聞 刈敷 廣功記者『随輦私記』に見る山形・高畠御駐輦、栗子山隧道御通輦
  • 高木秀明土木課長『公務日記』『栗子隧道工事始末記』と明治天皇栗子山隧道御通輦
  • 坂部藤太郎『山形秋田両県及北海道御巡幸記』
  • 里之宮湯殿山神社保存資料目録(4)
  • 旅篭町豊田仁兵衛家蔵「羽前村山郡山形旅篭町宗旨人別御改帳」
  • おとりやめになった一九四五(昭和二〇)年八月の昭和天皇の山形御巡幸
  • 『里之宮湯殿山神社史』余滴(7)(8)(9)
  • あとがき

 著者は本書の中で、明治天皇が楯岡で農夫の稲刈りをご覧になり、「豊年の稲刈る賤のうれしさもほにあらはる々秋の小山田」との御製を供奉員に賜り、三島通庸県令は「民草も山田の稲もほに出でて行幸を招く楯岡の里」と奉答したことを紹介しています。このほかにも山形市から献上された最上川の鮎を喜ばれ、宮中へのお土産品として鮎の干物をご下命されたこと、山形旅篭町の旧里之宮湯殿山神社東側に新築された行在所に二泊されたことなど、明治天皇山形県民との交流が偲ばれる興味深い内容です。

『近代日本宗教史 第2巻 国家と信仰――明治後期』(春秋社)

f:id:sato189:20210121111511j:plain

 島薗進末木文美士・大谷栄一・西村明編『近代日本宗教史 第二巻 国家と信仰――明治後期』(春秋社、二〇二一年一月二十日発行、A五判上製、二四六頁)を、出版社様よりご恵与いただきました。誠に有り難うございます。

 目次は次の通りです。

巻頭言(編集委員 島薗進末木文美士、大谷栄一、西村明 )

第一章 総論――帝国の確立と宗教(末木文美士

第二章 国粋主義・実験・煩悶(岩田文昭)

――コラム① 文部省による宗教行政の掌握(江島尚俊)

第三章 近代と格闘する仏教(福島栄寿)

――コラム② 教誨師繁田真爾

第四章 キリスト教会の外へ(赤江達也)

――コラム③ 近代の戦争記念碑(粟津賢太)

第五章 国家神道教派神道(齋藤公太)

――コラム④ 明治聖徳論(佐藤一伯)

第六章 アカデミズムの中の宗教(林淳)

――コラム⑤ 神智学と近代宗教’(吉永進一

第七章 戦争と社会問題(小川原正道)

――コラム⑥ 生殖・政治・民俗(岩田重則)

第八章 明治の終わりと宗教――「皇室+神社」が当たり前になるまで(平山昇)

 末木氏は第一章において、「明治後期は、いわば日本の近代体制の確立期ということができる。今日、近代のあり方が改めて問い直されている中で、その議論を進めるためにも、本巻の各章をそのベースとしてしっかりと踏まえることが不可欠である。」(三〇頁)と指摘しています。

 なお、ブログ著者が担当したコラム④は、拙著『明治聖徳論の研究――明治神宮の神学』(国書刊行会、平成22年)の「第一部 明治聖徳論の形成」に基づいています。拙著を発行した当初は、明治神宮史の研究書として、後半部の「第二部 明治神宮創建と明治聖徳論の展開」の方が注目されてきた印象があります。しかし近年になり、島薗進氏の『明治大帝の誕生』(春秋社、2019年)や、産経新聞の特集企画「100年の森 明治神宮物語」などにおいて、前半の第一部についても評価をいただけるようになりました。

近代日本宗教史 第二巻 国家と信仰: 明治後期

近代日本宗教史 第二巻 国家と信仰: 明治後期

  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: 単行本
 

 

 

中西正幸『伊勢の御遷宮』

f:id:sato189:20210114110310j:plain

 中西正幸先生より、『神宮教養叢書第十集 伊勢の御遷宮』(神宮司庁刊、神宮文庫発行、令和2年)をご恵与いただきました。お心遣い誠にありがとうございました。雑誌などに発表した論文や新たな書き下ろしによって構成されており、目次は次の通りです。

第一編 遷宮制の史眼

 第一章 遷宮制の諸相

 第二章 遷宮の史的推移

第二編 遷宮制の秘儀

 第一章 神遷しの秘儀

 第二章 遷宮祭儀の構成

第三編 遷宮の諸祭儀

 第一章 遷宮の記録と祭儀の構成

 第二章 遷宮の諸祭儀

第四編 近代及び式外の遷宮

 第一章 近代の理念

 第二章 式外の遷宮

附録 御幣鯛と遷宮(調査報告)

あとがき

 小松大宮司は序において、「式年遷宮が継続されて来た要因のひとつに、祖先から受け継いだものを子孫に伝えることを重んじる日本人の心の伝統があります」と述べています。 また中西先生はあとがきで、「神道は「常に若々しく」との理念に貫かれており、遷宮も神ながらなる「変若(おち)」かえりを遂げて、つねに始原を溯るものと確信しています」と述べています。

 

小形利彦『アルブレヒト・フォン・ローレツの日本時代』

f:id:sato189:20201212123206j:plain

 小形利彦様より、『はたごまち文庫』第5号(里之宮湯殿山神社、令和2年12月20日発行)、および「里之宮湯殿山神社史余滴 七」が収録された『里之宮ゆどのさん』第63号(里之宮湯殿山神社、令和2年12月18日発行)をお贈りいただきました。誠にありがとうございます。

 『はたごまち文庫』第5号は、明治13年(1880)9月、山形県公立病院済生館医学寮教頭に赴任したオーストリア出身の御雇外国人医学教師アルブレヒト・フォン・ローレツ博士の日本時代をまとめたものです。

佐藤一伯『明治の精神――教育勅語と明治神宮』(電子書籍)

f:id:sato189:20200729181750j:plain

 電子書籍『明治の精神――教育勅語明治神宮』(御嶽山御嶽神明社、令和2年7月30日発行)を、Amazonより出版しました。

 目次は次の通りです。

教育勅語」には、明治天皇昭憲皇太后とその時代、明治神宮の創建、さらには近代に受け継がれた『日本書紀』(「天壌無窮の神勅」)の精神がこめられていると思われます。本書が少しでもその理解の一助になれば幸いです(まえがきより)。

 日本書紀編纂1300年、教育勅語渙発130年、明治神宮鎮座100年の節目に、「明治の精神」とはなにかを考える一冊です。

明治の精神: 教育勅語と明治神宮

明治の精神: 教育勅語と明治神宮