特別展「武家のみやび―初代一関藩主 田村建顕(たけあき)と和歌―」

 特別展「武家のみやび―初代一関藩主 田村建顕と和歌―」(一関市博物館主催、国文学研究資料館・同志社大学共催、会期:令和8年9月19日~11月23日)を見学しました。

 歌人としても名高く、好学の藩主と尊敬される田村建顕にスポットを当てた展示で、国文学研究資料館の共同研究「一関藩田村家を中心とした近世前期公武文化圏に関する地域連携的研究」(代表:大山和哉・同志社大学准教授)の研究成果が反映されています。

 霊元天皇や冷泉家、仙台藩主伊達家の関連資料、田村建顕の作品・旧蔵書など、元禄期の大名と公家社会との和歌を通じた交わり、公家文化の地方への移入とその広がりを示す資料、約90点が紹介されています。

www.city.ichinoseki.iwate.jp

企画展「熊野信仰と一関―海からやってきた神様―」

 一関市博物館の企画展「熊野信仰と一関―海からやってきた神様―」を拝観しました。

 岩手県内には、200社以上の熊野神社が鎮座し、一関市内にも10以上が祀られています。なかでも室根神社は養老2年(718)、東奥の鎮撫を願われた元正天皇の思し召しにより、熊野神の御霊代を紀州より奉遷し、唐桑半島の細浦を経て、神勅によって室根山に鎮座したという由緒があります。この企画展は、国指定重要無形民俗文化財「室根神社祭のマツリバ行事」が今秋行われるのにちなんで、熊野信仰がどのように受容されたかを紹介するものです。室根大祭に関わる神輿、巡礼で奉納された納札、古典文学や地誌、歴史書、江戸時代の日記などが展示されています。

 第1章「熊野信仰の伝搬と広がり」、第2章「室根山と熊野信仰」、第3章「身近な熊野」の3章で構成され、資料54点が展示されています。第3章では一関市内の熊野神社が、北上川沿いや気仙沼につながる気仙街道沿いに目立って分布していることが紹介されています。

『コンテンツとしての義経』

 

 伊藤慎吾・佐藤優・三田加奈編著『コンテンツとしての義経――民俗・地域・伝承』(三弥井書店、令和8年6月25日発行、A5判並製、316頁)をご恵与いただきました。

 お心遣いに深く感謝申し上げます。

 目次は次の通りです。

序章 共有知としてのヨシツネ(伊藤慎吾) 

第1部 義経伝承
東北の義経―山形県最上地方の義経伝説を事例として―(佐藤優)
菅江真澄と義経(小堀光夫)
民俗芸能と義経(佐藤優)
奥州藤原氏と義経(花部英雄)

第2部 義経周辺の人物伝承
武蔵坊弁慶―在地伝承への展開―(和久津安史・三田加奈)
常陸坊海尊―その受容と伝承―(三田加奈)
鈴木重家―伝承とその背景―(小池淳一)
佐藤継信・忠信―ふるさと陸奥信夫郡・信夫荘―(菱沼一憲)

第3部 義経伝承の現在
源義経―地域振興と腰掛松―(伊藤慎吾)
静御前―現代に蘇る伝説―(内藤浩誉)
皆鶴姫―文芸と伝説への受容と展開―(佐藤優)

付録
国立歴史民俗博物館所蔵『清悦物語』解題と釈文(三田加奈)
源義経年表(伊藤慎吾)
義経伝承地図(三田加奈・佐藤優)
義経伝承主要文献(佐藤優)

あとがき

 東北の義経伝承について、文学・民俗からアプローチした論文集です。

 

 

『創建150年記念 里之宮 湯殿山神社史』

 小形利彦様より、『創建一五〇年記念 里之宮 湯殿山神社史』(令和8年5月17日発行、A5判上製、320頁)をご恵与いただきました。誠にありがとうございます。

 目次は次の通りです。

口絵(グラビア)

ごあいさつ(里之宮湯殿山神社 宮司 澁谷宣寛)

祝辞

  • 羽黒山 月山 湯殿山 出羽三山神社 阿部良一
  • 山形県知事 吉村美栄子
  • 山形市帳 佐藤孝弘
  • 奉賛会会長 株式会社ダイバーシティメディア 代表取締役社長 吉村和文
  • 奉賛会副会長 山形パナソニック株式会社 代表取締役社長 清野寿啓
  • 責任役員 株式会社吉田 代表取締役会長 吉田福平
  • ゆどのさん祭頭 豊田正昭
  • 神幸会会長 田中滋
  • 敬神婦人会会長 三澤保子
  • 木遣会 海野玲子

第一部 神社史編

 はじめに~里之宮湯殿山神社 祈りと心~

 一、三島通庸県令就任と里之宮湯殿山神社・市神神社の創建

 二、市北大火からの再建

 三、戦時下の神社

 四、新生「里之宮湯殿山神社」誕生

 五、現在地への御動座と相次ぐ記念事業

 六、新型コロナウイルス感染症禍の神社

 七、創建一五〇年記念事業へのいざない

 八、 里之宮「ゆどのさん」記事や余滴から

第二部 澁谷宣寛 宮司と語る

 一、神道文化を語る 元國學院大學教授 大学院客員教授 三橋健氏

 二、私たちの宗教と民俗学 東北文教大学人間科学部特任教授 菊地和博氏

 三、神主の宿命を知る、その本分を全うする オフィス・マウマウワン代表 佐藤昌子氏

 四、特別寄稿~宮司とわたしの五〇年~ 里之宮湯殿山神社 参事 澁谷眞知子氏

第三部 資料編

 一、澁谷宣寛 宮司 御略歴と受賞歴

 二、澁谷宣寛 宮司の主要執筆原稿(平成二七年六月~令和七年六月)

 三、平成二八年以降 里之宮湯殿山神社歴代役員

 四、神社の主な年中行事

 五、令和八年度 里之宮湯殿山神社役職員

あとがきにかえて 禰宜 澁谷大樹

稿を終えるにあたって 里之宮湯殿山神社教学顧問(神社史執筆・古文書整理担当)小形利彦

 小形氏は巻末で、

山形市旅篭町にご鎮座する里之宮湯殿山神社(澁谷宣寛宮司)は、山形県初代県令三島通庸公(一八三五~八八)が県庁の守護神として山形県西村山郡本道寺村ご鎮座の湯殿山神社ご分霊を勧請したという全国でも例をみない神社である。しかも同社は創建以来の里之宮湯殿山神社と市神々社、合祀された黄金山神社、秋葉山神社の古文書をすべて保存しており、創建から今日に至るまでの例大祭や山形市北大火の惨状を乗り越えた神社関係者の苦悩はもちろん、その後の発展の礎を存分に読めるのは、歴史を学ぶ学徒にとってこの上ない幸せである。

と述べて、同神社が明治期の山形を記した歴史資料を大切に保存してきたことに敬意を表しています。

 

白澤神社おためし神事(令和8年)

白澤神社おためし神事・宮司の祝詞奏上(令和8年1月10日)

白澤神社おためし神事・藁で粥を炊く様子(令和8年1月10日)

白澤神社おためし神事・おためし行事(令和8年1月10日)

白澤神社おためし神事・炊き上がった粥(令和8年1月10日)

白澤神社おためし神事・占定の行事(令和8年1月10日)

白澤神社おためし神事・宮司の託宣(令和8年1月10日)

白澤神社おためし神事・総代長の挨拶(令和8年1月10日)

白澤神社おためし神事・占定書(令和8年1月10日)

白澤神社おためし神事・参列者への礼状(令和8年1月10日)

 一関市藤沢町西口字白沢の白澤神社(小野道教宮司、皆川敬一総代長)で、令和8年1月10日(土)午後6時より、筒粥の神事「おためし」が行われました。

 一関市指定無形民俗文化財「おためし神事」は、粥占いの一種で、竹筒と米、塩を鍋に入れて炊き、竹筒の入った米粒の数で天候や作柄を占う伝統行事です。

 500年にわたり、一年の平安と農作物の豊作を願う伝統行事とされ、コロナ禍を経ても参列者が絶えることなく、令和7年より地区内の小学生も参列し、今年(令和8年)には初めておためし行事を小学生が奉仕しました。一関市長代理や、県議会議員、市議会議員、地元関係者とともに、一昨年・昨年に続いて小生(岩手県神社庁教化副委員長・佐藤一伯)も玉串拝礼をさせていただきました。

 小野宮司は託宣のなかで、占いの結果が豊作であれ不作であれ、努力が必要と諭されていました。おためし神事が年々盛大に行われていることは、白澤神社関係者と地元の方々のご努力の賜物であり、心より敬意を表します。

小形利彦『私の三島紀行』

 元日本大学山形高等学校・中学校教諭の小形利彦先生より、ご著書『私の三島紀行』(大風出版、令和7年発行、四六判193頁)をご恵与いただきました。お心遣い誠に有り難うございます。
 山形県初代県令三島通庸(みしま・みちつね、1835-1888)、山形県公立病院済生館医学寮教頭を勤めたオーストリア人、アルブレヒト・フォン・ローレツ博士(Albrecht von Roretz, 1846-1884)、山形市旅篭町に鎮座する里之宮湯殿山神社の歴史に関する内容で、主な目次は次のようになっています。 

グラビア
はじめに
追悼 三島昌子さまの御霊に哀悼の誠を捧げます
第一章    三島通庸ゆかりの地を訪ねて
第二章    県都山形旅篭町誕生一五〇周年を迎えて
第三章    山形新聞「やまがた再発見」~三島県令とフォン・ローレツ博士~
第四章    三島弥太郎書簡の一考察
~御礼~

「歴史を学ぶ私にとって過去との出会いと見聞は「温故知新」の連続で、生きる力・事理の連鎖となりました」(はじめに)と述べられ、学問の尊さに感じ入りました。
 岩手大学名誉教授の藤原暹先生(ふじわら・のぼる、1933-2009)の教え子のご縁により、数々の御学績に勉強する機会を頂戴しまして改めて深く感謝申し上げます。
 小形先生には、どうかご健勝で日々をお過ごし下さいますよう切にお祈り申し上げます。

令和7年 白澤神社御例(おためし)

白澤神社おためし神事 宮司の祝詞奏上 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 おためし行事 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 藁で粥を炊き上げる 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 炊き上がった粥 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 占定の行事 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 占定書の作成 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 宮司による託宣 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 総代長挨拶 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 占定書 令和7年1月11日

白澤神社おためし神事 参列者への礼状 令和7年1月11日

 一関市藤沢町西口字白沢の白澤神社(小野道教宮司、皆川敬一総代長)で、令和7年1月11日(土)午後6時より、筒粥の神事「おためし」が行われました。

 一関市指定無形民俗文化財「おためし神事」は、粥占いの一種で、竹筒と米、塩を鍋に入れて炊き、竹筒の入った米粒の数で天候や作柄を占う伝統行事です。

 500年にわたり、一年の平安と農作物の豊作を願う伝統行事とされ、コロナ禍を経ても参列者が絶えることなく、昨年より地区内の小学生も参加しています。一関市長代理、地元の県議会議員、市議会議員、地元関係者とともに、小生(岩手県神社庁教化副委員長・佐藤一伯)も玉串拝礼をさせていただきました。

(撮影機材:NEX-3、SEL24F18Z)