2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

藤原暹著『江戸時代における「科学的自然観」の研究』(4)

第二章第一節では司馬江漢とその継承者・片山松斎の自然観を考察します。 下級武士であった片山松斎は50代に江漢の天文窮理学(地動説)を受けつぎ、仏教的須弥山中心の自然観を退け、水火二気によって天体・地球の諸現象を統一的に把握するとともに、「悟り…

藤原暹著『江戸時代における「科学的自然観」の研究』(3)

第二章では、主に地動説を中心とした蘭学天文説の導入による「科学的自然観」の形成と性格について、和蘭通辞本木良永・志筑忠雄の両天文学説による二系列に分けて叙述しています。 第一節は本木良永の訳書からの影響として司馬江漢と片山松斎を取り上げてい…

藤原暹著『江戸時代における「科学的自然観」の研究』(2)

第一章では、長崎で唐船書物改の役にあった南部草寿の「其ノ天書ニ繋ル」(中村綃斎『天文考要』)との配慮により禁書令を免れ、天文学者をはじめ儒学者、国学者、僧侶など江戸時代の知識人に広く読まれた天主教系天文学書『天経或問』(游子六著)の記述内…

藤原暹著『江戸時代における「科学的自然観」の研究』(1)

藤原暹著『江戸時代における「科学的自然観」の研究』 佐藤一伯 藤原暹著『江戸時代における「科学的自然観」の研究』(東京・富士短期大学出版部、昭和41年12月10日発行、四六判並製本、128頁)については、昨年(平成22年)の「日本学の集い」や『日本学研…