『東北の伝承切り紙 神を宿し神を招く』
千葉惣次・大屋孝雄『東北の伝承切り紙 神を宿し神を招く』(平凡社、2012年9月12日発行、B5変型判、128頁)が発行となりました。東北の27社寺の正月飾りを取材したもので、目次は次の通りです。
東北の伝承文化に寄せて(赤坂憲雄)
オカザリの切り込み図
切り紙、その豊かな世界(切り紙の歴史とかたち、オカザリを求めて・神社訪問記)
切り紙は神を宿し神を招く(加門七海)
宮城県のオカザリ(倉戸神社、二渡神社、荒澤神社、計仙麻大嶋神社、旭岡八幡神社、上山八幡宮、入谷・八幡神社、早馬神社、琴平神社、屯岡八幡宮、鹿嶋神社、桜田・山神社、平野神社、御賀八幡宮、まめから稲荷神社、涌谷神社、岩出山・大崎八幡神社、田尻・大崎八幡神社)
岩手県のオカザリ(大東町・熊野神社、白澤神社、御嶽神明社、江釣子・八坂神社、新山神社、中森・熊野神社、尾崎神社、神坂・熊野神社)
福島県のオカザリ(養泉院)
東北の正月飾りに魅せられて(大屋孝雄)
オカザリに使われる縁起物(網飾りに下げられる縁起物、切り透かしに切られる縁起物、御幣に表わされた神々)
かんたんな御幣のつくりかた
神社リスト・地図
赤坂憲雄氏は序文エッセイで、東日本大震災を念頭に次のように述べています。
現実はかぎりなく厳しい。しかし、宗教や伝統文化の復興なしには、東北の復興や再生もまたありえないことだけは、はっきりしている。次々に、民俗芸能が復活を遂げていったように、その土地に生きる人々が心の底から求めるものは、たやすく途絶えることはないのだと信じたい。そのために、寄り添うことを願う人びとにもできることは、きっとある。地の記憶をひとつひとつ掘り起こし、それを記録しておくこと。
この小さな本に収められた美しい切り紙たちが、東北の再生のための礎のひとつとなることを願いながら。
- 作者: 千葉惣次,大屋孝雄
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2012/09
- メディア: 単行本
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