パーシヴァル・ローエル著(菅原壽清訳・解説)『オカルト・ジャパン――外国人の見た御嶽行者と憑霊文化』(岩田書院、2013年〔平成25年〕2月、第1刷400部発行)を恵贈戴きました。誠に有難うございました。
アメリカの天文学者としても知られ、明治16年から26年にかけて5回にわたり来日したP・ローエルの日本関係著書のうち、『極東の魂』、『NOTO(能登)』は邦訳されていますが、“Occult Japan or the Way of The Gods(神秘的な日本、あるいは神々の道)1895(明治28)”は部分訳があるのみで、完訳はありませんでした。
ローエルは4度目の来日の際に木曽御嶽山に登り、3人の行者による憑霊(御座)を見てたいへん驚き、東京に戻って神習教管長・芳村正秉に教わり神道を研究し、東洋の神秘を解き明かそうとします。本書の第1章から7章までは実際に観察・体験したことを報告し、第8章では、その背後にどのような本体(本質)が隠されているかを、憑霊(神懸り)の問題を手がかりに解き明かしています。
本書は御嶽研究の第一人者による、宗教人類学的視点からの初の完訳です。
目次は次の通りです。
訳者序
第1章 御 嶽 ONTAKE
第2章 神 道 SHINTO
第3章 さまざまな奇跡 MIRACLES
第4章 さまざまな化身 INCARNATIONS
第5章 登拝の旅と講社
PILGRIMAGES AND THE PILGRIM CLUBS
第6章 御 幣 THE GOHEI
第7章 伊勢神宮 THE SHRINES OF ISE
第8章 本 体 NOUMENA
自己/
個性の力/
憑霊/
意志/
思考としての自己/
運動形態としての思考/
思考の力/
個我/
日本人の性格/
夢/
催眠トランス/
憑霊トランス/
神道の神々
解説:『オカルト・ジャパン』とパーシヴァル・ローエルの憑霊文化(菅原壽清)
はじめに/
本文の要約と解説/
木曽御嶽信仰の研究と先行翻訳
あとがき
参考:岩田書院ホームページ http://www.iwata-shoin.co.jp/