國學院大學研究開発推進センター編(責任編集・阪本是丸)『近代の神道と社会』(弘文堂、令和2年2月15日発行)をご恵与いただきました。
目次は次の通りです。
- 序(阪本是丸)
- 近代の「神道と社会」を用意したもの――明治大嘗祭への道程(武田秀章)
- 神武創業の精神と垂加神道――君臣合体守中之道(西岡和彦)
- 大国隆正と福羽美静の国学――「本学」をめぐって(中村聡)
- 神武創業と国家祭祀形成(高原光啓)
- 明治前期の神職とその活動――埼玉県の事例から(小林威朗)
- 平田派国事犯事件について――丸山作楽を中心に(半田竜介)
- 島地黙雷の政教論――「政教相依」論の展開と「布教」(戸浪裕之)
- 扶桑教会宍野半と神道事務局直轄教会(永田昌志)
- 御嶽教の変容と神道家――鴻雪爪と神宮暠寿による教団「神道化」をめぐって(中山郁)
- 海老名弾正と黒住教――近代の神道とキリスト教の接点(佐々木聖使)
- 賀茂真淵の墓改修事業とその歴史的意義(坂井久能)
- 池辺義象の日本法制史研究と祭政一致論(齋藤公太)
- 近代神社祭祀と祭服――幣帛供進使服制の制定過程を中心に(星野光樹)
- 「大祓詞」変遷の軌跡と近代神道の社会対応(東郷茂彦)
- 官幣大社霧島神宮列格の背景と経緯及び待遇向上運動(宮本誉士)
- 「神道人」から見る近代神道史――官幣大社浅間神社宮司時代における高山昇の活動・事績を中心に(齊藤智朗)
- 神社と教育勅語――国民道徳を媒介とした関係について(高野裕基)
- 大正期神社行政と神社「森厳」問題――内務官僚佐上信一の鳥取県庁時代に注目して(畔上直樹)
- 高木兼寛の「神道観」――神道的「八紘一宇」の導線(黒岩昭彦)
- 「大日本世界教稜威会」川面凡児の神道思想――今泉定助との比較を通じて(神杉靖嗣)
- 山口鋭之助の祭政一致構想と神社界――大国隆正を回路として(上西亘)
- 神宮大麻と家庭祭祀の思想――明治天皇の思召について(佐藤一伯)
- 近代の大嘗祭論と天皇象(武田幸也)
- 星野輝興の祭祀学――神嘗祭と新嘗祭とをめぐって(中野裕三)
- D・C・ホルトムの日本研究とその時代―― State Shinto 措定の目的を探る(菅浩二)
- 植木直一郎の「古典研究」と皇典講究所・國學院(渡邉卓)
- 国家神道と憲兵隊――日本救世軍弾圧をめぐって(小島伸之)
- 昭和戦中期の国学研究――藤田徳太郎を例に(松本久史)
- 戦時下における英霊公葬運動と神仏抗争――日本主義の哲学者・松永材の神仏観を軸として(藤田大誠)
- 近代神社法制度と神社本庁(河村忠伸)
- 折口信夫の自己定位――矢野玄道歌への言及から(上野誠)
- あとがき(宮本誉士)
阪本是丸先生は序において、「本書は、令和二年三月に定年を迎える筆者が國學院大學研究開発推進センター長として編集する最後の論集となる。・・・・・・本書を契機として、今後活躍する研究者達が当該テーマを具体的かつ実証的にさらに深く検討されることを心より祈念して筆を擱くこととする」と述べています。