小野善一郎『伊勢神道思想の形成』


 小野善一郎氏より、『伊勢神道思想の形成』(平成23年6月30日発行)を拝受しました。伊勢神道心神思想に光をあて、伊勢流祓の方面よりその形成(『宝基本記』の成立)を考察したのが本書の特色であり、目次は次の通りです。

 まえがき
 序 章
 第一章 伊勢神道の根本理念成立
 第二章 伊勢神宮における中臣祓の受容
 第三章 伊勢流中臣祓の神髄
 第四章 「天照大御神の神教え」信仰の淵源
 第五章 記紀伝承に見る古式の川原祓の精神
 第六章 『造伊勢二所太神宮宝基本記』の成立についての一視点
 終 章 本論文の成果と今後の課題
 余 論 伊勢神道の本質と北畠親房の根本思想
 あとがき

 4月5日に記された「あとがき」には、「現下は有史以来の非常時である。親房公が伊勢神道の「いのち」にすがって、わが国の秩序回復を訴えた顰に倣い、本書を通して、我々の本姿への回復こそが、国家安寧の道であることの一端を明らかにしえたら筆者の望外の喜びである。」と、東日本大震災後の国情への思いが綴られています。
 刊行早々に恵与くださいましたことに、國學院大學神道学専攻の安蘇谷ゼミの同窓生として慶び感謝致しますとともに、益々のご活躍を祈念申し上げます。