岩手県内の小学校長を歴任された一関市萩荘の岩渕次郎氏が、明治9年(1876)、明治14年(1881)の二度の一関地方への行幸の記録をまとめ、『明治天皇巡幸の記録と明治初期の一関』として先月出版しました(A4判、53頁、本体1429円、一関市の北上書房ほかで販売)。
本書の目次は次の通りです。
Ⅰ はじめに
1 一関の洪水と火災
2 幕末から明治初期の我が国と一関・北上川・岩手県の情勢
3 明治天皇地方巡幸の年と行き先
4 明治14年当時の岩手県並びに陸中国西磐井郡の地理や産業について
・岩手県管内函館街道図誌略=明治14年8月出版=
Ⅱ 東巡録序と巻之1
Ⅲ 明治9年明治天皇東北・北海道巡幸
1 磐井の御巡幸
(1)真柴村的場御野立所の設置と駒ヶ岳の雪献上
(2)一関駅居民の巡幸を迎える様子
(3)一関駅行在所金森宅での事
2 先発員一覧
3 随行員と磐井での宿
(1)随行員割
(2)宿泊宅戸主名
(3)御巡幸方通シ人夫宿割
(4)4日朝の事
4 鳳輦一関行在所ヲ出給ウテ後之御模様
5 7月3日・4日の一行の様子
6 東京日日新聞と東巡録の記述の違い
7 巡幸日程
Ⅳ 明治14年東北・北海道巡幸
1 本県の御宿泊割
2 行在所金森多吉宅について
3 北白川宮能久親王、赤萩小学校御視察
4 先発員一覧
5 随行員一覧
6 随行中止者一覧
7 巡幸日程
8 随行員宿割名簿と宿泊戸主名
(1)宿割番号・名簿
(2)宿泊宅戸主名
(3)宿泊宅地図
9 明治14年御通輦ニ付諸併係中回議綴込より
10 第一号 東西磐井郡役所部内照会簿より
Ⅴ 明治9年、明治14年明治天皇御巡幸に関わった人達一覧
Ⅵ 奉賛蛍の会=明治天皇聖蹟保存会一関分会=
Ⅶ むすび
Ⅷ あとがき
岩手県内外の図書館や旧家所蔵の書籍、書簡、名簿、写真などの諸資料を解説し、大火で家を失った住民への下賜金、行在所を整備した名家の努力、庭に大量のホタルを放して天覧に供したことが、後年に児童も交えた奉賛行事として受け継がれたことなど、貴重な逸話や証言が盛り込まれています。
(参考:「明治天皇の巡幸記録出版 一関 岩渕次郎さん 来関に沸く姿伝える」『岩手日日』平成23年8月9日記事)