今泉宜子『明治神宮 内と外から見た百年 鎮守の森を訪れた外国人たち』

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 明治神宮国際神道文化研究所より、同研究所の今泉宜子主任研究員のご著書『明治神宮 内と外から見た百年 鎮守の森を訪れた外国人たち』(平凡社、2021年9月15日発行、新書版、335頁)をご恵与いただきました。誠に有り難うございます。

 これまで明治神宮を訪れた外国人に着目し、内と外の視点から日本と世界の百年史を綴ったもので、目次は次の通りです。

  • はじめに
  • 序章 明治神宮の誕生
  • 第一章 世界が空に夢中だったころ――飛行機乗りたち
  • 第二章 独立運動の志士は祈った――革命家たち
  • 第三章 スポーツの戦後と外苑の行方――占領者たち
  • 第四章 絵画館にみる美術と戦争――続・占領者たち
  • 第五章 祖国への眼差し――日系移民たち
  • 第六章 参拝の向こう側――大統領たち

 著者は「はじめに」で、「空の英雄リンドバーグ、インド独立の志士チャンドラ・ボースGHQの将校から大リーグの名選手まで、それぞれの立場で日本と交わった時代を象徴する外国人が登場する。彼らは明治神宮訪問を目的として来日したわけではない。しかし、参拝の背景をひも解いてみれば、その時々における彼の国と我の国の関係が見えてくる。」と述べています。

 読みやすく面白い内容ながら、行間に細密な調査研究の努力が感じられる比較文化史の歴史書となっています。