矢巾町の川原博様より、同氏編集・発行の『高田念仏剣舞 「ケンベェ」の奥に ―わが里の祈り―』(令和4年3月31日発行、A4判、33頁)をご恵与いただきました。お心遣いに深く感謝申し上げます。
本書によると高田念仏剣舞は、浄土欣求や鎮魂供養のため主にお盆に踊られています。庭元には文政元年(1818)の念仏本願回向(巻物)が伝えられています。大笠があることが特徴で、霊の依り代で極楽浄土を表し、四門(発心門、修行門、菩提門、涅槃門)の内部を来世とし、極楽浄土を願う念仏信仰がこめられているといわれています。
目次は次のようになっています。
- わが里の祈り 高田念仏剣舞に寄せて(高田念仏剣舞保存会会長(庭元)中村滋)
- はじめに 「ケンベェ」の奥に
- 巻物が語る背景
- 念仏本願回向(解読)
- 口伝を記録復活(讃、剣舞の演目と構成、口拍子)
- 念仏剣舞の道具
- 踊りの構成、踊順
- 連中の構成、装束
- 復活を願って
- 連中名簿(明治42年、大正8年、昭和3年、昭和43年)
- 足跡
- 記録写真集
- あとがき
著者はあとがきで次のように述べています。
令和2年新型コロナウイルスが猛威をふるい全世界にまん延、パンデミック、クラスターという耳慣れない言葉が飛び交いいまだ終息せず、3年間活動(練習含め)がほとんどできない状況となり、この機会に活動記録をまとめたもので編集にあたっては故伊藤博夫氏、安田隼人氏の解読資料により大きく支えられました。
表紙の写真は昭和46年(1971)の観光まつりの様子です。